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83章 姉が私にスナックを食べさせてくれない

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陽子(ようこ)は好奇心が強い一方で、賢い子供でもあり、北原秀次に対する自分のイメージには特に気をつけている。不注意で秀次が自分を嫌うようなことになってしまわないか、と恐れていた。

彼女の第一の目標は、良い妹になることだった。自分の年齢では良い妹以外の選択肢はないことを彼女はよく理解していた。そのため、以後彼女はそのクローゼットに近づかず、目もくれず。まるでその存在すら忘れてしまったかのように振る舞いつつ、日々秀次に気遣いを見せたり、学習上の問題を秀次に教えてもらうことで、従順で賢く、人々が愛でるような良い妹のイメージを築き上げることに力を注いだ。

時計の針は音を立てて刻み続け、太陽が昇っては沈み。日々の生活には特別な出来事もなく、秀次は勉強に没頭して週末が近づいていった。何か特筆すべきことがあったわけではない。秀次が特定の積分を求める方法を語るようなことは無理だろう。

多くの大学では週5日と半日の授業が行われ、土曜日は半日、日曜日は1日休みとなっている。そして毎月第3週末は2日間とも休みとなる。

北原秀次は昼休みが終わるとすぐにアパートに戻り、食事を手早く済ませて再び机へと向かった。それと同時に、陽子もなぜか彼の元にやってきて、彼の勉強を邪魔することなく、畳の上にうつ伏せになりながらファッション誌をめくっていた。それはどこからか拾ってきたようなもので、中には美しい衣装が描かれており、彼女はそれを見て羨んでいた。

北原秀次が内田雄馬から借りてきた参考書を数ページめくっただけで、スマホが鳴り、手に取ってみると、雪里からのメールだった。「公園についたよ」という内容だった。

秀次は彼女に「待っていて、勝手に動かないで」と返信し、そこから陽子に向き直って、「陽子、ちょっと出かけるんだ。友達が来て、一緒に勉強するんだよ」と言った。

今日は休息日で、冬美は雪里を彼に預け、彼に補習をお願いしていた。

機転を利かせた陽子が立ち上がり、お兄さん(秀次)に言った。 「一旦戻った方がいいですか?」

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